〜「タダでもらう」と「安く買う」はほとんど同じ税金〜
能登地域では、空き家や土地を「もう使わないからあげるよ」と言われることがあります。 しかし、不動産をただでもらう(贈与)場合と、 安く買う(低額売買)場合では、実はどちらも税金が発生する点に注意が必要です。
1. ただでもらうと「贈与税」がかかる
他人から不動産を無償で譲り受けると、贈与税の対象になります。 評価額が200万円でも約9万円、500万円なら約53万円、1000万円なら約231万円の贈与税が目安となります(基礎控除110万円を差し引いた一般贈与税率による概算)。
さらに、以下の税金も別途必要です。
- 登録免許税: 固定資産税評価額 × 2%
※土地の「売買」に限り1.5%の軽減(令和8年3月31日まで)。住宅用家屋は0.3%の軽減あり(要件あり)。 - 不動産取得税: 原則4%。
土地・住宅は特例で3%、非住宅は4%。
2. 「安く買う」場合も差額が贈与とみなされる
たとえば、時価1000万円の家を10万円で買うと、 「時価との差額990万円」がみなし贈与として扱われ、結局贈与税が課税されます。 つまり、タダでもらうのとほぼ同じ税負担になります。
3. 税務署が問題にしない価格の目安
法令上の明確な割合基準はなく、判定は個別事案です。以下は実務上の目安です。
時価の7〜8割程度の価格で売買していれば、 「通常の値引き範囲」と見なされ、贈与税が課されることはほぼありません。
なお、固定資産税評価額はおおむね時価の7割が目安とされています。
※この比率は主に土地の目安であり、建物は取引価格の参考になりにくい点に注意。
- 固定資産税評価額が500万円なら → 時価約700万円
- その8割=560万円程度で購入すれば安全圏
このように設定すれば、税務署から不自然と判断されず、 支払う税金は登録免許税+不動産取得税(約評価額の5%)のみに抑えられます。
4. まとめ
| 取得方法 | 主な税金 | 概要 |
|---|---|---|
| タダでもらう(贈与) | 贈与税・登録免許税・不動産取得税 | 贈与税が重い(数十万円〜) |
| 10万円など極端に安く買う | 贈与税・登録免許税・不動産取得税 | みなし贈与で結局同額課税 |
| 時価の7〜8割で買う | 登録免許税・不動産取得税のみ | 贈与税なし、最も現実的(ただし個別判断) |
5. 結論
能登の空き家や土地を譲り受けるときは、 「もらう」ではなく時価の8割程度で売買契約を結ぶのが最も安全で経済的です。 贈与税を回避し、最低限の費用で不動産を取得できます。
