トイレは絶対に軽視できない

災害発生直後から問題になることは多いですが、個人的にはトイレが一番重要であると実感しています。

断水で水洗トイレの水タンクに水が供給されなくなるとトイレの水を流すことができなくなります。

私は、災害発生直後から公共のトイレで地獄絵図のような状況を何ヶ所も見ました。

極限の状況になると人間は何でもします。1/1の夕方に地震発生、1/2で既にひどい状況でした。

建物の立地によっては川を活用

設備を準備しないのであれば、バケツに紐をつけて川の水を汲んでトイレに流せば良いです。

災害用の設備を準備するとすれば、水中ポンプが考えられます。水中ポンプとは、文字通り水中に沈めた状態で使うものです。

水中ポンプにホースを接続して、トイレの水タンクまでホースを延ばします。水中ポンプは、基本的にはコンセントに繋いだら電源が入って水を吸い上げます。水中ポンプの電源、または、延長したスイッチをトイレ側まで引く必要があります。

さらに準備をするなら、水位センサー基盤を使っいます。トイレの水タンクの水位に応じて、水を流して水位が下がったらポンプの電源ON、川の水を汲み上げて、水タンクの水位が上限に達したらポンプ停止、という仕掛けを作ることもできます。

弊社では、このシステムを作成してお客様のご家族に設置することができます。ご相談ください。

雨水を溜めてトイレに流す

雨水をためるためには雨水タンクが必要

雨水タンクの設置の記事はこちら→雨水タンクの設置

電力を必要とする仕組み

雨樋からの立樋に細工をして、雨水タンクへ雨水が流入するようにします。

雨水タンクを屋外の地面に置いて、ポンプで水を吸い上げて、トイレの水タンクへ補給します。

水位センサー基盤を取り付けることによって、自動給水、自動停止の制御が可能です。

弊社で施工することができます。お住いのトイレの位置に合わせて、タンクを置く位置や配管の方法を考えてご提案いたします。

電力を使わない仕組み

雨樋からの立樋に細工をして、雨水タンクへ雨水が流入するようにする点は同様です。

屋外の雨水タンクを室内のトイレ水タンクよりも高い位置に設置します。台の上に置く方法等があります。

ポンプは設置せず、落差を利用して雨水タンクからトイレ水タンクへ雨水を流します。

簡易的なものは、水道の蛇口をつけて、手動で回し目視で水量を確認して締めるというものです。水量は少ないので数分時間がかかりますので、毎回は少々めんどうです。高齢者が重いバケツを持って水タンクへ補給するのはたいへんなので、その負担はなくなります。

おすすめは、フロートバルブの取付けです。フロートバルブは、比較的安価に入手できます。落差による自然落下による水圧でも機能するフロートバルブを選ぶ必要があります。一般的な、トイレのボールバルブは水道の水圧じゃないと開きません。

弊社では、商品(フロートバルブ)を複数テストして動作確認しております。

フロートバルブは、電力を使わず、トイレタンクの水が減れば自動で給水し、自動で停止します。

施行事例

真ん中が雨水タンクからの雨水を手動給水、自動停止

タカギの商品、風呂水の給水装置を流用しています。ボタンを押すと水が出て、浮きが上がると水が止まるというシンプルな構造です。

右側が、井戸水ポンプからの配管です。こちらには、トイレの水タンク用のボールタップを取り付けてあります。タンクの水が減ったら弁が開いて給水開始、浮きが上がると弁が閉まって水が止まります。

左側が、雨水タンクからの配管です。付けなくても良いですが、手洗い用に蛇口をつけました。

狭い水タンク内部に納めるのが難しいですが、ギリギリ納まりました。元からある水道の給水用ボールタップもそのままついています。

このトイレは、水道、井戸水、雨水の三系統での水洗が可能となっています。

まとめ

  • 災害時にもトイレが使用できるように色んな方法を考えておいた方が良い
  • 河川の水を活用
  • 雨水を活用

また災害が起きる前に、何らかの方法を考えておくことをおすすめします。

何も準備しなければ、重い水タンクを毎回持ち上げてトイレの水タンクへ入れることになります。身近にあるものを上手く組み合わせて利便性を向上させ、災害時もこれまでとあまり変わらない生活を送れるように準備しておけば、避難所に行かず、住み慣れた家で過ごすことができます。

そのための費用と手間を高いと考えるか安いと思えるか、ですね。

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