安全・確実なハイブリッドインバーター切替構成とは?

電気工事士が設計。売電パワコンを活かしつつ、安全にハイブリッドインバーターを追加する手順
切替用DCブレーカーによる二重接続防止と確実な運用ルールを紹介。


1. 卒FIT切替、どうする?

太陽光発電の固定価格買取(FIT)期間が終了しても、太陽光パネルはまだまだ使える状態。
しかし、卒FIT後の選択肢は大きく分けて以下の2つに分かれます:

  • 自家消費に切り替える(蓄電池+ハイブリッドインバーター)
  • 単価の安い自由売電を継続する(1kw33円で売れていた電力が8円に下がります)

私は、既設のパワーコンディショナー(パワコン)を残しつつ、
将来の自家消費化に備えてハイブリッドインバーターをDIYで追加
するという方法を考えました。

パワコンの撤去も面倒ですし、まだ動くので。卒fit後に万が一ハイブリッドインバーターにトラブルが発生した時は、

一時的にパワコンに接続を戻して自家消費と余剰電力売電に切り替えることができます。


2. 現場状況と構成

  • パネル構成:5直列×3並列(5S3P)=3系統DCケーブル
  • 屋内サンルームにDCブレーカー×3(各系統に1つずつ)
  • パワコンへは3系統個別に入力済み(MPPT×3)
  • 分電盤には「太陽光専用ブレーカー」が設置され、メインブレーカー下流へ並列接続

ここに対して、ハイブリッドインバーターを追加配線し、
手動で切り替えて運用する構成
をとします。


3. 安全確保のための切替構成

DC幹線を共有する2つのインバーター(既存パワコンとハイブリッド)を共存させるため、
以下のルールと構成で安全性・柔軟性・コスト効率を両立させます。

● 並列構成概要:

  • 既設DCブレーカーから端子台でPV+/−を集約
  • そこから2P DCブレーカー(DC500V 40A)を2台設置
    • パワコン用
    • ハイブリッド用
  • 両方のDCブレーカーは同時には絶対にONにしない

● 運用ルール:

  1. 全てのブレーカー(AC・DC)をOFF
  2. 使いたい方(パワコン or ハイブリッド)だけをON(AC→DCの順)
  3. 切り替えの際も必ず両方OFF → 片方ON

4. なぜこの方法がベストなのか

比較項目ブレーカー切替式自動切替器・回路切替
安全性◎(明確に視認・操作)△(誤動作リスク)
コスト◎(部材2つで済む)×(切替器は高価)
柔軟性◎(日中試験 → 夜売電など可)△(切替には施工再対応)
DIY対応◎(電気工事士が作業)△〜×(配線複雑)

5. まとめと提案

この構成なら、卒FIT前に試験運用を行いながら、パワコンとハイブリッドの両立が可能です。
将来的に売電が終了したタイミングでDCブレーカーを入れ替えるだけで完全切替が可能

コストを抑え、安全性を保ちつつ、柔軟に将来設計したい方にはこの方法を強くおすすめします。

電気工事士としての知識とDIYの実践経験を組み合わせたこの設計。
卒FITを迎えるすべての方へ、安全・確実な切替の参考になれば幸いです。

電気工事士資格をお持ちでは無い方は工事はできませんので、電気工事業者さんへの依頼が必要になります。


補足:部材メモ(参考)

  • DCブレーカー:2P DC500V 40A ×2個(Amazonで2,000円前後)
  • ケーブル:PV3.5sq(200mロール使用)(Amazonで購入、特価)
  • 端子台:既設端子に追加接続

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