■ はじめに:売電できない時代の「最適解」とは?

能登の自宅において、売電を行わず、完全自家消費を前提とした太陽光発電・蓄電池システムを構築した事例をご紹介します
この地域特有の条件(裏山による日照制限など)を踏まえながら、最大効率での電力自給体制を実現
さらに、バッテリー増設・パネル追加の判断をどう最適化すべきかという点にも焦点を当てます


■ 現在のシステム構成(2025年4月時点)

  • 太陽光パネル:7kW(単管カーポートの屋根として設置)
  • ハイブリッドインバーター:リョクエン製 8kW出力/PV入力10kW対応
  • 蓄電池:LiTime製 リン酸鉄リチウムバッテリー5.1kWh × 2台(計10.2kWh)

■ 運用状況と課題

  • 3月中旬以降、晴天時は完全オフグリッド運用が可能
  • 夜間消費:約9kWh/朝7時から発電開始、10時前に満充電
  • 満充電後、発電抑制が発生(電力が使われず無駄に)
  • 裏山の影響で14:30以降は発電量が大きく低下(拡散光で約500W)
  • 売電不可(インバーターの逆潮流機能が国内使用不可)できたとしても売電するより自家消費した方が効率的

■ バッテリー追加の判断とメリット

▼ バッテリー1台追加 → 合計15.3kWhへ

  • 朝10時の満充電を回避可能、午前中の発電をさらに有効活用
  • 晴れた日が続いた場合でも、3台目のバッテリーに電力を貯蔵し、翌日の雨天時に対応可能
  • 14:00頃までのオフグリッド維持が現実的に

結論:バッテリー追加は発電抑制の削減・備えとして「最も効果的な投資」


■ パネル追加の構想と効果

▼ 400Wパネル×6枚(2.4kW)を単管カーポートに設置予定

  • トータル発電容量:7kW → 9.4kWに拡張
  • インバーターのPV入力10kWにほぼジャストフィット
  • コストは、お客様価格で計算しても設置費用回収は可能
  • 朝・夕の発電量底上げ効果が大きく、曇天や日照変動への耐性が向上

結論:抑制リスクより、朝〜昼の発電強化による利得の方が大きい


■ システム最適化のポイント(今後の参考に)

項目最適構成(今回の結論)
パネル容量9.4kW(朝〜昼の発電強化/午後は裏山の影で自然抑制)
蓄電池容量15.3kWh(夜間消費+翌日雨天対策までカバー)
インバーターリョクエン製 8kW出力/PV入力10kW(性能を最大活用できる設計)
売電不可(逆潮流NG) → すべて自家消費 or バッテリー貯蔵へ最大活用
導入の優先順位①バッテリー増設 → ②パネル増設(無駄を出さず段階的に完成度UP)

■ 結論:バッテリー×パネルのバランスが「完全オフグリッド」をつくる

私の自宅での事例では、地域特有の条件(山影など)も踏まえて、「発電・貯電・消費」のバランスを最適化した結果、無駄のないエネルギー運用が完成しました
今後の能登地域における売電に依存しない太陽光+蓄電池運用の一つのモデルとして、ご参考にしていただければ幸いです

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