令和6年8月上旬、珠洲市馬緤町、二階建在来工法の住宅、築40年ほど

震災以来、居住できなくなり市外へ避難していた家主様が7月中旬、上水道通水してから馬緤に戻りました

水道は通ったものの、水質に問題がありまだ飲用不可とのこと

生活用水としては使用可能

しかし、浄化槽が隆起して、接続部配管にヒビが入っており、トイレ、台所、浴室は使用していません

風呂は30km先の飯田の銭湯へ通い、水はペットボトル、トイレは隣家の汲み取りトイレを使用という生活でした

それでも馬緤に、という想いで、、、

家に入ると、玄関から居間に入る引戸がいきなり開きません

ほとんどの引戸が開かない状態

車用ジャッキで上げて、無理やりこじ開けた隙間から出入りしているとか

支援内容

開かない引戸の復旧8枚

玄関から居間など、毎日の生活で使う引戸を直しました

まず、1枚も外れず、ビクとも動きません

ジャッキアップして、8枚外しました

玄関~居間の引戸は、また次地震が起こった時に圧されて開かなくならないように、半柱を二本立てて支えました

奥の間へ続く4枚引戸は、戸首をカットして加工、開け閉、付け外しが可能なまで復旧しました

中古電気温水器の移設取付工事

これまでの電気温水器は、地震で倒れて破損しました

隣家が親戚宅は解体待ちで、そこから電気温水器を外して、家主様が運んでありました

しかし、電気配線、給水配管、給湯配管は切断されたままでした

話を聞くと9月に入ったら電気屋さん来てもらえる、とのことでした

ということは、お伺いした8月上旬から1ヶ月も風呂なしの生活ということです

そこで、私が使えるようにすることになりました

配管等の材料費は約9000円

手持ちで使わないものを支給して、工事しました

作業時間は90分ほど

電気温水器用200V電気メーターの確認

電気温水器は200Vを単独で引いてありました

電気メーターは、深夜電力を使うためタイムスイッチ内蔵でした

電気メーター1次側をテスターで計測

200Vは通電していました

ということで、あとは深夜電力の設定時間帯になれば沸かして、翌朝にはお湯が湧いていることになります

翌朝、電話で確認したところ、ちゃんとお湯が湧いていました

工事翌日からお風呂に入ることができました

下水配管の勾配確認

下水配管VU100が浄化槽手前でヒビが入っていました

浄化槽から1番遠い、トイレ直下の下水配管点検口を開けて、水道水を流しました

浄化槽まで水が流れました

隆起しているものの勾配は大丈夫でした

結論、トイレを流しても大丈夫であると判断しました

台所の排水も同様に確認、流れました

風呂排水はトイレより浄化槽側なので問題なし

問題は、浄化槽

7ヶ月も使用しておらず、バクテリアはおそらく死滅

浄化槽としての機能は不可

水周り使用の可否判断

下水配管の割れている部分は、管の上部なので、流れる水より高い位置にあったため、流れる水は漏れませんでした

元々、9月上旬に現浄化槽を汲み取りして撤去、浄化槽新設の依頼をしてあるとのことでした

それまでの間は、汲み取り式トイレの槽として使用してもらうことにしました

生活排水、下水排水の量が多くなれば汲み取りを依頼

そうすれば、9月上旬までは震災前と変わらない生活が出来るようになります

割れた部分から臭気が出ないようにコーキングで塞ぎました

材料費0円

割れた窓ガラスの修繕

電気温水器が倒れた先にあった窓ガラスが割れて、サッシ枠も外してありました

ポリカーボネートのダンボール、半透明で透過性が高いものをガラスの代わりに入れることにしました

ゴムパッキンは外して、コーキング処理

家主様は、元々外が見えないすりガラスだったので、明るければそれで良い、割れない方が良いとのことでした

材料費2000円で済みました

まとめ

親戚も集まり、高齢の方3名で居住していました

隣家の解体の打ち合わせ、立ち会いのために避難先こら珠洲へ通うのも大変で、馬緤で生活することにしたとお話されていました

これまでご苦労も多かったことと思います

私が数時間作業をお手伝いしただけで、震災前に近い生活ができるようになりました

良かったです

お金も実費で約11000円

同じように困っている方々はまだ多いと思います

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